しがとせかい

ローカルメディアをビジネスにする。公開して1年後に終わりにならないマネタイズ方法は?


WEBやSNS、Youtubeなどで行政から個人まで「まち」を話題にしたメディアは色々な地域で見られるようになってきました。

行政であれば、一般的なのがFacebookやWEBを使った市民ライターやとてもやる気のある職員さんがおられたらブログを記事として投稿するもの。

個人であれば開店・閉店情報などから食レポやまちの小さなネタまでを扱うローカルメディアになっていきます。

僕自身も、2015年から日刊湖南市、そして日刊滋賀県、さらにはUターンの人を対象とした滋賀県Uターン物語などローカルメディアを様々作って運営してきました。

その中で「発展して続く仕組み」をローカルメディアは作っていかないと、どこかの段階で「更新されない」という問題に必ずぶち当たっていきます。

最初の方はPVも集まりやすく(競合もおらず、まちに対しては一定層探している人がいるため。)、地域の人にも「あの記事書いている人ですよね」と声がけ頂くことがモチベーションとなってきますが、実はここで次のステップを考えおかないとどこかで「モチベーション勝負」になっていきます。

作ってちょっと頑張って終わりにしない仕組みづくり。そしてそれがまちづくりのソフトの部分にもハードの部分にもより良くしていくためにはどうしたらいいのかを記事にしてみました。

PRを目的として始まる行政が作るローカルメディア

まず行政発信のもの。有名所だと下記のローカルメディアなどなどがあります。またWEBに限定しないのであれば、フリーペーパーや広報誌などもあてはまります。

尼ノ國(尼崎市)
いいいいいいづな

行政作成の場合、おおよそ「観光」「商工」「広報」「移住促進」などの担当課などが市民・市外に向けてのPRで作られるケースがあり、こういったケースはまず予算が必ずつきます。
そして記事を書く人に関しては市民ライターや、予算などから記事を出稿してもらえるケースがあります。

ビジネスモデルとしてのマネタイズを考えずに出来るケースもあるので、これは本当に大きいですがもう一つデメリットが存在します。

予算がつかない場合、放置されるメディアが出来上がる

それが予算がつかなくなってしまった、または前年度よりも削減されてきたなどの低調な状態になってしまった場合です。

そもそも運営自体のスタートが「PR」となり「予算がついたからスタート」という状態になると、予算が削減やなくなっていくと運営していいくための人員が割り当てられなくなります。

なまじローカルメディアはある程度のコンテンツが揃っていくと記事を書かなくてもPVはあるので、報告書として「予算を使わずともPR出来ています。」といえるものが出来上がってくるんですよね。

結果的に放置されるメディアが出来て、大体数年後になくなっていきます。

そう考えると、上記にあげた行政が作ったローカルメディアは今もしっかりと更新されていて、成功例であると思います。

ただ民間にもいえる話なのですが、そうやってある程度アクセスが集まり、記事が書かれるようになるとどこかで頭打ちになってしまいます。

新たに予算を取られるケースも少ないので、長くは続いていくけど大きな成長を遂げることが難しい。そんなところも行政のローカルメディアのデメリットかもしれません。

 

まちのことをテーマにしたブログ作ってみようかな!から始まる民間のローカルメディア

ブログからスタートして作られるローカルメディア。これは本当に多く存在します。

都市圏以外でも都道府県、市町村別と様々なローカルメディアが存在していき、まちの人の重要な情報源となります。

また1人で運営されているケースも多いので、記事に対する寛容さもあり本当に小さなまちのネタなどもたくさん掲載されています。

個人からはじまるため、スタートもすぐに出来るのが個人・民間のローカルメディアのメリット。逆に、モチベーション勝負とどうしてもなってきてしまうのが大きなデメリットです。一番最初の話に戻りますが「一人のモチベーションに依存しない仕組みを作っておかないと」どこかのタイミングで、毎日投稿が2日に1回となり、それが3日に1回、1週間に1回となりいつのまにか季刊誌レベルの投稿になっていきます。

あとよくあるパターンで、他の市町のローカルメディアを見て刺激を受けて、テーマごとのローカルメディアを作るケースも多くあります。

求人系や、観光、移住促進などなどですね。

ただこちらも親元をしっかり仕組み化しておかないと必ずどこかで更新が止まってしまいます。ここで忘れがちなのがそれぞれのローカルメディアには「作業」というコストが必ずかかっているということです。

 

仕組み化したローカルメディアとは?

それでは仕組み化したローカルメディアとは何でしょうか?

ここの仕組み化とは「記事が生まれること」更に、そこに対するコストが「ローカルメディアを経由した部分でマネタイズ」が出来ていることがあげられます。

例えばすごく有名な民間のローカルメディアだと枚方つーしんがあります。

最終的にはINCLUSIVEに全株式を取得してもらい子会社化になりましたが、しっかりと地域企業の広告を獲得し、ライターを雇用するなどしたローカルメディアとなります。

比較的「記事が生まれること」はライターを採用することや、市民ライターを募集するなどすれば達成する事ができますが、それを捻出するコスト。

ここをしっかりと仕組み化できていないと、行政の場合は予算、民間の場合はモチベーションがネックとなりどこかで縮小・終了してしまう可能性がとても高いです。

ローカルメディアを経由したマネタイズとは?

ローカルメディアを使ってのマネタイズ。

売上を作る手段としてはこの辺りがあげられます。

・広告掲載モデル
・自店への広告
・受託制作を獲得

広告掲載モデルは、そのサイト以外にも「しがと、しごと」や「Kii」のように求人系をメインとしたものなどがあります。

自社の広告モデルとしてはフリーペーパーを運営している会社がWEBを行ったり、自分のお店への誘致も含めたローカルメディア運営などがあります。

自社の広告モデル系はローカルメディアで売上を作るわけではないので、比較的このモデルでその母体がしっかりとしているとローカルメディアに充てる予算も十分にあるケースが多いです。

あとは受託制作につなげていくモデル。これはローカルメディアをキッカケに町のお店や会社などからWEB制作や、最近だと動画制作の案件を獲得するといったモデルですね。

ただこれら3点、2つ目の自社の広告モデル以外は拡大するのが難しい形となります。

そもそも市場が狭いのでスケールしないローカルメディア。

地域限定にしていると、人口が限られてしまうのでどうやってもスケールしません。

フリーランスとして収入の一つになればいいという場合であればいいのですが、やっぱりなんだかんだと時間がかかってしまうのでそれもいつか難しくなる。

拡大させようとするとローカルメディア自体をパッケージして、各地域に提供するFC化があります。

みんなの経済新聞ネットワーク」や「まいぷれ」などがそれに当たります。

他にもアプリとして「ピアッザ」などローカルを対象に全国をエリアにしたものなども一つです。

 

新たなチャレンジの予算も作る。ローカルメディアのマネタイズの方法

地域を限定にしつつ、スケールもして新たなチャレンジもできるようにするには?

そしてそのためのマネタイズは?と考えた時に、まず条件として下記が必要だなと感じています。

・ローカルメディアにかけたコストの倍以上のリターン
・コストを地域に落とすための採用ブランディング
・トップは週1ペースで書く

例えばローカルメディアに対して記事のコストをお金に換算した時に、10万円かかっていたとします。
そこに対して5万円のリターンとかしかなかったりすると、いつかモチベーション問題でそのローカルメディアは縮小してしまいます。

逆に20万円のリターンがあり、純粋にかけたコスト以上の収益で違うことに予算をかけられるとしたらどうでしょう。

こんなことが実現できます。
・ローカルメディアに対する企画記事がもっと作れる
・テーマを絞ったローカルメディアを作れる
・予算を使ったリアルイベントの実施などにチャレンジできる

そういった手の混んだ記事やテーマを絞ったローカルメディアはどうしても新しいコストがかかりますが、それをしっかりと回せる形で作る事ができれば続くローカルメディアとして拡大していきます。

続いてライターや運営するスタッフを地域の人で雇用する採用ブランディングもとても重要です。
書き手が必ず存在するものなので、まちに対してどれだけのモチベーションがあり「面白いことをしたい!」と思っている人を採用できるか。そのためのブランディングは必ずしっかりしておきましょう。

そしてサイトの運営者。この人は最低でも最大でも週1ペースで記事を書くのみ。毎日記事を書いたりすると一番戦略や違うことを考えなければいけない人が日々の更新に忙殺されてしまいます。

だからとして1本も記事を書かないのではサイトの運営感覚を失ってしまいます。そのため、最低でも最大でも週1ペースのみ。

 

ローカルメディアのマネタイズはサイト・SNS運営支援が一番良い。

では重要なマネタイズ。これはどうするのかというと、ローカルメディア×受託によるサイト・SNS運営支援となります。

受託サイト制作や、デザイン制作にとどまるのではなく、そこからのサイト・SNS運営支援までを行うというもの。

・ローカルメディアの広告記事からの流入
・ローカルメディア×採用サイトからの採用流入
・SNS運用支援
・動画の制作

こういったものをローカルメディアのスタッフの方と共にしてもらうことで、月々の運用支援費を頂くものとなります。
ローカルメディアの一番良いところは「地域の人に見てもらっていること」です。

果たしてそれを依頼したい人がいるだろうか?という悩みも、実際にフリーペーパーに出稿している会社やお店があることを考えると想像に難しくないと思います。(しかもフリーペーパーはスポットの掲載ですが、WEBはストック型の掲載となります。)

そうして、依頼してもらえる会社が増えていけば少しずつ拡大の道を作ることができ、さらにはそこを雇用する人もよりまちに関わる面白いことができることになっていきます。

・ローカルメディア×サイト運営支援にてコストの回収

・新たに生まれた予算で採用・観光・移住定住などのサイトを作成

・依頼側の需要が高いメディアが作成され、依頼主が増える

・まちの雇用を行っていき、広報・企画までを民間で行える組織体を作る

実は今これの実験を湖南市及び守山市で行っています。

果たしてこれがしっかりと形になっていくのか、ぜひ続報を期待いただければと思います。